朝を迎え、乱道はくくりを迎えに行こうと家を出るが、琵羽ちゃんに見つかってしまう。
なんだかんだ言いつつも、毒の抜けた琵羽ちゃんは乱道に幸せになってほしいので、見逃してあげることに。清々しく、切ない。
賜りの刀はふたたび乱道の元に。「すぐに帰ってくるから、朝飯は一緒に食べような」と走り出す乱道。そういうとこだぞ、お前…。
ひとりになった琵羽ちゃんの「あ~あ、きったなかったな、あたしの毒…」という台詞が三池っぽい。
おそらく琵羽ちゃんはこの後、ハラヤドリを去ろうとしていたのだけれど、その前に乱道とくくりのご飯をちゃんと作ってから去ろうとしたあたり、【飯炊き女】としての自分から逃げられなかったのか、それも含めて自分を認めてあげたのか。
そこへやってくる浜婆。
ずっと背負っていた風呂敷を広げると、壊れた箱が入っている。
琵羽ちゃんはすぐにくくりの箱と同じ文字が彫られていることに気付く。
異変を感じ逃げようとするも、体が動かなくなり、浜婆に人形をとられていまう。
物語の最初で「カミにカミの名をカいてもカミであってカミではないが、カミにカミをくくればカミとなる」という謎の言葉がありましたが、【くくりの髪の毛がくくられた人形】と【くくりが書いた手紙(多分自分の名前も入っている)】この2つを手に入れたことで、浜婆はふたたび神のたまごの力を取り戻す。ずーっと狙ってたもんな。
一方そのころ、物部さんの屋敷でも事件が。
天獄さんが、はじめてお父さんに反抗しました。遅くやって来た反抗期。
くくりの力を使い不老不死の力を手に入れようとしている天源さん。息子の淡い恋心も茶化してしまったため、めちゃくちゃ締め上げられるの図。
妾の2人が止めるも、積年の恨みが止まらない。
これは天獄さんを止めているようで、背中のツボを押したりしています。一度妾2人の声がでかすぎて音響の美都子さんに「きっかけの天獄さんの台詞が消こえません」と注意される始末。
ついにはお父さんのお妾さんを押し倒す天獄さん。
多分作者の性癖なんでしょうけど、最近のキミジャグ作品は「今まで清かった人の性的な部分」が一瞬垣間見える時がある。
リトルウェッジのクダンとかもそうなんだけど、性とか営みとか、ぼかしてた部分が露になる瞬間、「あっ、人間…!」ってなります。
余談なんですけどこのシーン、誉人くんの素の力が強すぎて焦り倒した回がある。全然チカラをいれなくてあれだったら、そのうちスイカくらい握りつぶせるようになるんじゃねーの。
妾は外法で操られていると思っていたけれど、実はこの2人は心から天源さんのことを愛していたので、天源さんとともに果てる選択をします。
襟の内側に小さいポケットがあって、毒の丸薬が入っている。2人一緒に飲みこむのだけど、どっちかが手間取るとハラハラする時間が流れる。
でも、取り出しやすくポケットを大きくすると揉み合いのシーンで転がっちゃうし…。ポケットの調整を何回かした思い出。
お父さんは、妾が襲われた時も毒を飲む時もをちゃんと止めようとしていて、今更ながら「物部家、愛、永遠、不滅…」としんみりしています。
虚舟は、愛される者と愛されない者の差を表現するのにうまーく照明が生きたんじゃないかと。
本当だったらここは役者の顔を見せるのに、しもてにフォロー明かりをいれるけど、いれないことによって天獄さんの独りぼっち感が増したり。
キューは演出側で決めたけど、その他プランは新人・のえが一任したので、写真を見ながら(末恐ろしい…)と感じました。計算でやってるとしたら、マジマジのマジでストーリーの客観視ができているということ。またしても、職人系のメンバーが増えた。
傷心の天獄さんの元へ、浜婆の様子がおかしいと、琵羽ちゃんがやってくる。
ここの「最初におかしくなったのはお前だろ」って台詞がねぇ…、いいんですよねぇ…。
琵羽ちゃんを払いのけようと天獄さんが数珠を振ると、なんと外法が発動。どうやら天獄さん、外法の才能アリアリだったらしい。
それを見て、お父さんとの血の繋がりは切れないことを思い知らされ、遂にはお父さんを超えようと決意。
琵羽ちゃんに外法をかけ、暗転。
天獄さん贔屓で見てたお客様の中に、「闇落ちシナイデ…シナイデ…って見てました」という方がいらっしゃいました。アンケートを見ても、天獄さん派、多かったですね。
本番の写真を担当していた駒ちゃんがこのあたりは普通に観劇してしまったのか、ここの本番の様子が一枚もなかった(笑)かわいい~。
ですので本日は、新人・のえが動画からスクショした画像と共にお送りしました。
明日はふたたび女郎屋に。乱道がようやくお迎えにきます。また見てね。