本日も衣裳をご紹介します。
今日はついに三池台本「劇団であった怖い話」の衣裳。
まずはキミジャグの3人から。
だいすけ役/首藤大亮
首藤くんは「大きな怪異に気付いていて、それをどうにかしようとしている人」という立ち位置だったので、みんなとはちょっと違うお衣裳。
お衣裳ってほどじゃないんですけど、赤いボロボロのグローブをしています。
このお芝居は役者が身につけている赤に意味を持たせたかったので、終盤の惨劇時に血で手が真っ赤になるのを暗示してみました。
最初からこの「赤」が血液を暗示をしていることに気付いて、「ああ、この人はここを刺されて死ぬんだなというのが分かって、明るいシーンであればあるほど、この後来るであろう展開が怖かった」ってアンケートに書いて下さった方がいて、すごいなぁと思ったらやっぱりプラザ企画の上位者の方でした。
このグローブ、最初からダメージがついていてかっこいいと思って衣裳にしたんですけど、使っているうちにどんどんほつれていっちゃって、首藤くんのナイフに絡みつくという事態が。
端を糸でつまめばほつれなくなるよとは言ったんですけど、「このほつれがいい」と返ってきたのでそのままに。今考えると作業でてんてこ舞いになっている衣裳班への、首藤くんの優しさだったのかもしれない。
スキニーの膝部分のダメージと合わせて、バランスもいい感じでしたね。
おりかさ役/織笠裕美
髪飾りと首ブローチと胸ブローチ。パーツが多い。
これも、死因になる部分についています。通称「傷ブローチ」。
友ちゃんに押されて床のでっぱりにぶつけてしまう頭。
誉人に締め上げられる首。そして、首藤くんにアレされる胸。
細いリボンは、血が垂れてるイメージ。
アップにするとこんな感じ。
ビジューとかビーズとかポンポンとかが密集している。内臓っぽくしたかった。
リボンはお菓子についていたのが活躍しました。18年経ってもお菓子についてくるリボンで小物をつくる劇団。
ビジューだけは手芸店で買い足したんですけど、300円くらいで袋いっぱい入っているのでお手頃だった。勝手に「ビジューは高級品だ」と思い込んでいた。
つけるのも糸で2点留めくらいだったので、今後も使っていこうと思います。
首は最初はチョーカーだったんだけど、ワンピースの首が詰まっているし、髪の毛もあって見えにくかったので急遽小屋入りしてからブローチに変更。
胸ブローチはオープニングで首藤くんがつけてくれるんですけど、人にブローチつけてもらうのめちゃくちゃ怖いぞ。
髪飾りアップ。
ナイフを咥えたクロネコ。これは首藤くん以外、全員のコサージュやチョーカーについています。「劇怖」の随所に出てくる猫と、不穏な雰囲気をイメージしたモチーフ。いっこ70円くらい。この猫はみんなから「オリー」と呼ばれていました。
ぐっさん役/山口里美
山口さんは終盤、鼠径部を刺されるのでそこにコサージュ。
今回台本作成にあたり、「死因どこにする?」という恐ろしい質問が演出部からあったのですが、みんなが悩む中ひとりだけ「鼠径部にする」ときっぱり言ってきた女。
ここは動脈が近いから…とか恐ろしい説明もしてくれました。
アップにするとこんな感じ。オリーもちゃんといますね。
リボンにヒダを作るのが楽しかったです。よく見ると、色んな種類のレースが使われています。衣裳を作っていると、計算通り買っても15㎝くらいずつ余るんですよ、レース。その寄せ集めですね。いわば、18年の集大成…。
小物を作るのが好きなので、楽しんで作業できました。
明日は友ちゃんと、誉人、それからスタッフさんの小物もご紹介したいと思います。また来てね。