衣裳記録⑤。本日は舞台に華やかさを添えてくれた修道女たち。人数がいるので、お姉さん組から。
修道女たちは劇中では呼ばれませんでしたが、それぞれ名前がついています。名前を呼ばないのはお客様が名前を覚えることに手一杯にならないよう、昔からキミジャグの舞台だと「名前を呼ばれるキャラ」はある程度数が決められています。
「あのキャラの名前知りたかった」って言われたら、役者冥利に尽きますね。
【修道女長(ドリス)/いなだかんた】
かんたちゃん演じる修道女長。お酒が大好きな、みんなのリーダー。名はドリス。稽古場では「ドリっさん」と呼ばれていました。
こちら、再演版「リトルウェッジの魔女」の名物、「肋骨ドレス」。パーツが!!多い!!
リボンと骨部分、ワンピースにレース、早脱ぎできる用に後ろファスナー。とにかく作業工程が多くて、終わるか終わらないかの瀬戸際でした。私の夏はこの肋骨ドレスにかけたといっても過言ではない。
この肋骨ドレスは色んなところで褒められたので、「あれ、全部私が縫ったんスよ」って自慢したら「主役なのに、衣裳縫うんですか…?」とキミジャグの闇に触れられてしまった。
主役だろうがなんだろうが、衣裳は縫うし小道具は作ります。キミジャグならね。
かんたちゃんのワンピース、形がかわいい。胸下切り替えだから肋骨がきれいにでてるし、スカートも布幅があるからダンスも映える。これ、私のお気に入りのワンピースだったんですよ。最後に、かんたが着てくれてよかった。
ちなみに今回の修道女のワンピースは、ほぼ全部織笠家のワンピースでできています。私も母も黒いワンピースが好きなので、数はあった。
お母さんに「黒いワンピース、衣裳で使うんで貸して下さい」って言ったら、「どうせ返ってくる頃には切り刻まれてるんでしょ」って言ってました。分かってるゥ。
グレーのグラデーションウィッグも似合ってましたね。ドリっさんの台詞運びにみんなハマって、かんたちゃんが出番の時はみんなワクワクしていました。
一番好きだった台詞は、終盤の「ハナの縄をといたのは誰?」ってエヴァが言ったあとの、フードを外しながら言う「あたしらだよォ」って台詞ですね。しびれる。
さすがPFの看板女優。これからもよろしくな。
【修道女(プリカ)/井上 友美】
プリカというかわいい名前。ドリス同様、お酒が大好き。
友美のワンピースの肋骨は、最終的に友美自身に調整してもらったので、サイズ感がぴったりで良かった。
見た目が前髪パッツンだからすごく清楚に見えるけど、喋り出すと弾丸。乗ってましたね、演技。
「深海のパレード」に参加してくれたこともあって、このシーンでなにがやりたいのかとか、音ハメで台詞を言うとか細かいところを何も言わなくても感じ取ってくれていたので、友美の出ているシーンは【演出が作りたかった完成系】でした。
いっぱい衣裳作業もお願いしてしまって、申し訳ないやら。しかも彼女、9/16(土)に朗読会の本番があるからね。本当に2023年の友美は5人くらいいるんじゃないかな。
今やキミジャグになくてはならない存在です。
ドリスもプリカも修道女のなかではお姉さん的立場なので、普段酔っぱらってヘラヘラしてても、少女組が取っ組み合いの喧嘩をしだすとすぐ止めに入ってたのが個人的にエモでした。
映像に入っているかは分からないのですが、泣き喚く少女達の手を引いて、すごく優しい声で「行こう」って言ってたのを袖で聞いてて、この子らにもちゃんと歴史があるんだなぁと、本番中勝手に胸が熱くなったりしました。
修道女のワンピースにはエヴァの十字架。ギザギザが縫いにくかったけど、揃うとかわいかった。
袖部分のレースは布幅の2倍の長さで作ったんだけど、布の重さがでちゃったから1.5倍のレースでもよかったかな。でも、このブワッと感は、2倍レースでしか味わえないね。
修道女は再演版書き下ろしのキャラクターだったけど、より世界観を深めてくれて良かったです。初演版だとハナの味方は本当にビッコしかいなかったので。
大事な役どころ、お疲れ様でした。
番外編
【修道女(ステラ)/織笠 裕美】
謎の修道女。人数合わせの1シーンだけ登場。
ダンスとか台詞分けとか細かな部分が決まってくると、どうしても人数調整で誰かが犠牲になる。でも、最終的に修道女の中に一瞬でも入れて楽しかったのでヨシ!
毎公演「もう一人キャストがいれば、みんなが少しずつ楽になるのになぁ…」と思っています。衣裳記録の写真は本番前に撮ったので、不安そうな顔をしていますね。
明日は修道女の少女組。かわいくて3Dプリンターで出力して玄関に飾りてぇよ。
お楽しみに!