kimitojacuzzi Anniversary

水戸を中心に活動するキミトジャグジーの記念ブログ

汚しの美学

だんだんと稽古に小道具も持ち込まれてきました。
ネタバレにならない程度に…。

首藤くんが持ってるのは槍かな。「ながもの」ですね。手作り。すごい。ぜひ稽古場「風」で間近で見てください。

こういう槍とか剣を出すのってファンタジーをやっていると避けて通れないんですけど、買ってきたものをそのまま出すと浮いてしまうんですね。
あと、衣裳との兼ね合わせも考えなければならない。

衣裳がペラッペラなのに武器だけちゃんとしてるとか、衣裳は豪華なのに武器は段ボールで作ってない?とか、お客さん目線でみると気になるじゃないですか。
だから、作ったものに汚しをかけたりします。
一生懸命作ったものを汚す…。胸が痛む行為ですが、これをやる・やらないで見え方が全然違うので、断腸の思いで汚していきます。

これは「ジャガーの眼」の時のヤバイ病院の看護師たち。汚しをかけないと、ベージュのツギハギは浮いてしまうんです。この時はコーヒーで汚したので、衣裳室がコーヒーのいい香りでした。面白そうな芝居だな、もっと汚しても良かったかな。

これは「閻魔の花嫁」の時の亡者。
何度も貼りなおされたお札を表現したかったので、お札自体にも汚しのかかっているもの・かかっていないものがあり、最終的にマント全部にも汚しがしてあります。
この頃になると汚しにためらいがなくなって、ラッカースプレーでやっちゃってますね。

一番やばいのは、きれいな状態の衣裳と汚れた状態の衣裳がでる芝居。

莫迦トヨと神様」のビャッカちゃんなんかは、最初は綺麗な白の衣裳から…。

滝に落とされてボロボロになるので、同じ衣装をふたつ作ってから、ひとつだけ破いたり汚したり。

読み合わせの段階で「あれ…、これ、同じ衣裳2着必要じゃない…?」と気付くのですが、「気のせいかもしれない、もう一回台本読もう」を5回くらい繰り返した後、諦めて2着縫ったりします。

汚しはもう美学なので、きれいに汚せた(?)時はおおいに自慢します。間違って脇の下に濃い汚しをつけてしまった時とかは、恥ずかしいのでなんとかごまかそうとして全体的にひどい汚しがついたりします。
奥が深い、汚し。

汚しの美学が見れるかも!?
キミトジャグジーの最新作はこちら↓

kimitojacuzzi.hatenablog.com