kimitojacuzzi Anniversary

水戸を中心に活動するキミトジャグジーの記念ブログ

スタッフ台本

オペさんにどんな音響・照明にするか説明するのって、皆さんどうやってます?
オペさんがプランを練って演出に提出したり、演出から具体的な指示があったり、劇団ごとにやり方があるかと思うんですが、うちはこんな感じです。

台本に照明・音響のきっかけを全部書いてお渡しする。キミジャグではスタッフ台本と呼んでいます。
ここから、オペさんは実際に使うQシートを起こしていきます。
オペさんは私よりスペシャリストなわけですから、もっといい案があればどんどん追加してもらいます。
これがあれば、稽古しながらオペ側の変更点の確認もできるし、同時に役者の動きも確認できる。

キミジャグのオペさんは
①最初に配られる台本
②スタッフ台本
③実際に自分が本番で使う台本or自作のQシート
の、3冊使いなのかな。②がでれば①はいらなくなるし、最終的にはきれいな③の台本を使用していると思いますが。

他の演出さんには「めんどくさっ」とか「これは演出の仕事じゃない」と言われるキミジャグのスタッフ台本ですが、これを作るにはひとつ私のトラウマがあって、昔照明の勉強をしてた時に、とある劇団の照明オペを引き受けた際、演出との打ち合わせが曖昧なうえ、とんでもなく長かったんです。

「ここは、なんとな~く暗くて、次は青…か、緑…、どっちがいいと思う?君の意見を聞かせて?」っていうのがサシで5時間くらい。その合間に自分への叱責とか、役者陣への愚痴とか延々聞かされて、終電に乗れず泣きながら歩いて帰る、みたいなことがあった。22歳の頃の苦い思い出。

今考えるとこれは自分も悪くて、小娘だと舐められてたのもあるけど、明確な照明プランの提示が出来ていなかったのもあるから、この演出が一概に悪いとは言えない。
これには続きがあって、音響さんは演出からまったく別のプランを聞かされていて、照明と音響の連携が全然とれなかったというのもあります。

こういったトラウマもあり、キミジャグはどっちのオペさんが見ても照明・音響のきっかけが全部分かるようなものを提示しようと思ったわけです。
オペさんも、忙しい時期に長々演出の話を聞かされるのも嫌でしょう。少なくとも私はオペ時代、嫌でした。もちろん、そんな演出家さんばかりじゃないというのも知っています。すごく建設的に照明プランの説明をしてくれた演出家さんもいたし、「演出とサシで打ち合わせできて幸せ」というオペさんもいました。
憧れの演出さんだったら、プランをいち早く聞けるのは確かに幸せだけど、今の私にその価値はないなぁと思います。

若き日のトラウマは根深く「今日は照明打ち合わせだから、長くなっちゃうな~」っていう言葉を思い出すだけで、脂汗がでてくる。
今だったらセクハラ・パワハラ問題で速攻取り上げられそうな問題なんですけど、未だにその演出さんは東京で普通に活動されてるんですよね。くっそー。

まだまだ改良が必要なキミジャグのスタッフ台本ですが、もっと現場の意見を取り入れて、オペさんが安心して作品作りに集中できるようにしたいと思います。

今回も見れるよ!オペさんたちの超絶技巧!
キミトジャグジーの最新作は9/2・3本番!

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